2019/12

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1枚の写真が、何かを語りかけてくることがある。
その語りかけてくる内容はときには真実であり、またときには空想にすぎない。
それは、自分で撮った写真でも同じこと。
たとえば、取材に行ったり、その被写体となった人とゆっくり話をしたり、被写体となった景色の中に長い間身を置いた場合などは、真実に近いことを表現できていると思うし、街で偶然撮った写真や見知らぬ人を撮った場合のストーリーはあくまで空想でしかない。
僕がデンマーク滞在中に撮影した写真を考えてみると、真実2割、空想8割といったところだろうか・・・

今日は、特に印象に残った写真のストーリーを考えてみたいと思う。
このストーリーは、真実の情報と僕の空想がミックスされたものである。

(STORY)
ここは、ウィーンにある歴史のあるカフェ。
「装飾と罪悪」という本で有名な建築家、アドルフ・ロースが設計した「カフェ・ムゼウム」。
アール・ヌーボーの時代に建てられた建築にしては、シンプルな印象の店内。
そこには、このカフェの雰囲気にあう年配の男性店員たちが、控えめながら気持ちのいい接客を行っていた。
店の一角に、僕が店に入ってから、ずっと気になっている初老の紳士がいた。彼のテーブルには、何冊かの雑誌といくつかの空いたグラス。きっと、僕の来るずいぶんと前から、この店にいるのだろう。観光地ともなってしまったこの有名なカフェには、観光客と思しき人たちもいて、このカフェの雰囲気に似つかわしくない大きな笑い声を出している人などもいるが、このおじいさんの周りの雰囲気は明らかに違う。
僕は、ずっとこのおじいさんを見ていた。そして、勝手にこの人の人生を想像してみた。このおじいさんは、きっとこの店の常連なのだろう。そして、いつもあの場所に座っているのだろう。すごく居心地がいいのだろう。この人の人生において、このカフェで過ごしてきた時間というのは、とてもかけがえのない時間なのだろう・・・

あとは、みなさんでストーリーをつなげていってください。



装飾と罪悪―建築・文化論集
装飾と罪悪―建築・文化論集
アドルフ ロース, 伊藤 哲夫

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